日記
習慣というやつ
ここのところ、パウゼの壁を見上げては「ちがうちがう、もう違うんだった」と思うことが一日に何度も。
何度も、どころじゃないかも、何十回も、かも。
パウゼの開業当初「施術中のお客様からは見えない場所のほうがいいだろうな」との思いから、時計は施術チェアの背中側の壁の高いところに。
わざわざ「何時かな?」と振り返らなければ見えない場所に、あえて掛けるようにしたのです。
せっかくゆったりと過ごしているときにふと時計が見えてしまっては、望んでいないタイミングで現実に引き戻されてしまうこともあるのではないかと。
できれば施術中にそんなことは避けたいなぁと思ったのです。
でもあれからずいぶんと年月が経ち、いろんなことが変化して、今では施術中にスマホを操作しながら過ごすお客様もたくさんいらっしゃいます。
それに、「次の予定があるから〇〇時にはここを出たいんだけど」というような、ご自分のメンテナンスのためにと忙しい合間を縫って来てくださるかたも増えました。
だから「せめてここにいる間くらいは時間を忘れてゆったりと」などというのは、もうそんな時代ではないのかもしれないなぁと思うようになりました。
むしろ今は私自身が「忙しくてしんどいときこそ、ほんの少しの時間でもぜひご利用いただけたら」と思っているので、時計の場所にこだわるなんてことはもうどうでも良くなってしまったのです。
そこで時計の話に戻ります。
振り子時計って、好きなんです。
いつまでも眺めていたいくらい好き。
できることなら鳩時計(カッコウ時計?)にしたいくらいなのだけれども、いくらなんでも毎時間トリが鳴くというのはここじゃだめだろうと思い、かといって鳴かない設定にするのであれば鳩時計にする意味もなしってことでせめて振り子のある時計を選んできたのだけれど。
先日、長年使ってきた小鳥の振り子時計がとうとう使えなくなりまして。
次の時計を探していたのだけれど、なかなかこれだというのが見つからず。
そうこうしているうちに、置き時計という選択肢もありだねってことに気が付きました。
というわけで10日ほど前から置き時計に変わったのですけれども、長年の習慣というのはなかなか抜けなくていまだに「今は何時かな?」と思うと壁を見上げてしまうのです。
そして「あ、ちがうちがう、もう違うんだった」となるわけなのです。
これをもう10日も続けている、学習能力のない私。
そして自分がどれほど頻繁に時間を確認しているのかということにはじめて気がつき、ものすごく驚いています。
お客様のご予約次第で自分の行動が決まるという生活を長年しておりますから、そのせいなんでしょうか。
予定があろうとなかろうと、ヒマだろうと忙しかろうと関係なく、普段からものすごく頻繁に時間を確認する習慣が身についてしまっているようです。
時間を確認したくなるというのはしかたがないとしても、そろそろ壁を見上げるのはやめられないだろうか。
もしお客様がその視線に気がついて「パウゼさん、さっきから何回も壁を見てるんだけどだいじょうぶかな」なんてなったら困りますもの。
先代の黒猫は夜中に私のベッドの上で壁に向かって「シャー!」としていることがたびたびありました。
なにが見えていたんだろう、あれはもうほんとうにこわかった。
あんなふうに「パウゼさん、なにが見えてるんだろう?」なんてあらぬ誤解を招いてはいけません。
なにも見えていません、時計を探しそこねただけですよ。
だからみなさま、私が何度も壁を見上げてもどうぞ不思議に思いませんよう。
ただただ、長年の習慣が抜けないだけですので。