日記
屠蘇散
来年の仕事用の手帳を買ったら、屠蘇散が付いてきました。(なぜ手帳に屠蘇散?という話はまた別の機会に)
大晦日の夜にお酒やみりんに漬け込んでおくと元旦の朝にはお屠蘇ができあがりますよ、とのことです。
とはいえ私、お屠蘇について知っているようでよく知らないかも。
なんとなく「邪気を払う」とか「長寿」とか「お正月の縁起物」みたいなぼんやりとしたイメージだけで知っているようなつもりでおりましたが、これがお屠蘇だ!と意識して口にしたことはないような気がするのです。
そういえば年末にドラッグストアのレジ横などで見かけたことがあったけどわざわざ手に入れようと思ったことはなかったし、「お屠蘇を準備しなきゃ!」と感じたことがあるかといえばこれまでに一度もない。
そもそも「屠蘇」って、どういう意味?と思ったり。
調べてみるとやはり「屠」にも「蘇」にもちゃんと意味があるとのことで、意味を知っているのと知らないとではお屠蘇をいただくときの心がまえも変わってきそうです。
知った途端に自分の手元にある「屠蘇散」がなんだかとってもありがたいもののように感じてきました。
なんて単純な私。
お屠蘇を作るための生薬のことを「屠蘇散」、正式には「屠蘇延命散」と言うそうで、生薬の配合はメーカーさんなどによって微妙に違ったりするそうです。
私の手元にある屠蘇散は薬日本堂さんのもので、こちらでは日本酒やみりんに漬け込むのもいいけど白ワインに漬け込んでもいいし、お酒が苦手ならお湯に入れてスパイスティーとしてやミルクを加えてチャイのようにしても美味しくいただけますよというような案内がありました。
白ワインでお屠蘇、ものすごく気になります。
もともとはみりんで作ったりするということを考えると、ちょっと甘めの白ワインを使ったりすると美味しいのかなぁと思ったり。
チャイ風というのも美味しそうです。
体を温める生薬が入っておりますから、チャイみたいにして飲んだら気持ちよさそうだなぁと思ったり。
いやー、どうしよう。
初めてのちゃんとしたお屠蘇だから、ここはまず基本に忠実に日本酒でいくべきだろうと思ってはおりますけれども、白ワインやチャイへの好奇心も捨てきれず…
まぁとにかく。
お正月の縁起物という意味合いもあるけれども、この屠蘇散メンバーたちの顔ぶれを見ると胃腸の働きを良くするとか体を温めるというような生薬たちが集まっておりますので「お正月を健やかに過ごせますように」という意味でも元旦の朝にまずいただくという伝統は理にかなっているのかもしれないなぁ、と思ったのでした。
屠蘇散、ちゃんと大晦日の夜に仕込んで元旦の朝にありがたくいただきたいと思います。
クリスマス
お店を営んでいると、この時期はどうしても年末年始のことを意識していろいろと考えたり計画したり予定を立てたりになりがちです。
でもその前に、クリスマスという素敵な行事が世の中にはあるのですよね。
年末年始のお店のことを考えていると、ついついクリスマスのことは忘れてしまうのです。
このお店はクリスマスだからといってなにか特別なことがあるわけでもなくいつもどおりに営業するだけですから、待ち遠しいというような感覚はないのでよけいに忘れがちになるのだと思うのですけれども。
でもそんな冷めた気持ちでいるのもちょっとやだなぁ、と思いまして。
店内にちょっとだけクリスマスをもってきました。
いつもなら「うちの店はクリスマスってあんまり関係ないしねぇ」みたいな雰囲気なのですが、今年はめずらしくクリスマスが若干強めな店内となっております。
年末年始のことばかり考えて頭の中がいろいろと忙しくなる時期ですから、ふと顔を上げると楽しいムードの一角があるって良いんじゃないかな、と。
一人で考え事をしているときに、ちょっと気持ちが緩むように。
そんなことを思って飾ったはずの絵を見ながら「クリスマスのあとに飾る絵を早く選ばなくては」と考えてしまっている私。
やはり自分のお店にいる限り、店主目線をオフにするということはそう簡単にいかないようですね。
そろそろ見納め
このお店はいつまで夏みたいな造花を飾っているんだろう?
この辺を通る人達からはもしかしたらそんなふうに思われているかもしれません。
店主の私から見ても、このカラフルでヒラヒラした花たちは11月下旬の風景には馴染まない気がしますもの。
でも造花じゃなくて、いまだに元気に花を咲かせている本物の金魚草なのです。
調べてみると、金魚草って寒さに結構強いらしい。
勝手なイメージで「春夏って感じ」で「寒さに弱そう」なんて思っていたけれど、そうではなかったのですね。
朝の冷え込みでもう何度も凍っているんですけれども、なぜか傷むことなく昼間は元の姿に戻ります。
凍ってしまったらだめになるものだとばかり思っていたけれど、ぜんぜんそんな様子がなくてびっくりです。
さすがにもう成長はしていなくて終わりに向けた準備といった感じなのですが、最後の花をきれいに咲かせてくれている間は見守ってあげたいなぁと。
この寒い中で頑張らせてしまうのもかわいそうな気がして、もういいよと引退させてあげたい気持ちもあるのだけれど。
でもここまで頑張っているならば、最後まで見届けてあげたい気持ちのほうが勝りました。
きれいな花を見て嬉しくなるのと同時になんとなく切ない気持ちになるのは、これがいよいよ今シーズン最後の花だからでしょうか。
パウゼの庭の花もそろそろ見納めです。
早起き
お客様と当店のタイミングがうまく合えば、お問い合わせから15分後にはご来店ということもめずらしくありません。
そのため、ご予約が入っていない時間帯も決して油断はできません。
お客様がいない時でも私は店内でなにかしらの作業をやっていたりしますので、急なご予約が入った場合はそれらをすぐにストップして施術の準備へと切り替えることになります。
だから店内で作業をするときはとにかく散らかさないこと、すぐに片付けられる程度の作業にとどめておくこと。
そうなるとどんなにヒマだったとしても営業時間内には取り掛かれない作業というものもたまにはありまして、今日はそれをやっつけてしまおうということで早起きをしたのです。
睡眠時間を削るのであれば、夜ふかしではなく早起きのほうがいい。
というわけで午前3時53分、店内で作業開始。
3時半頃には始める予定でいたのですが作業に必要な道具がみつからず(ちゃんと準備しておいたはずなのに!)探し物からスタートするという痛恨のミス。
タイムリミットはいつもの起床時間の5時まで、約一時間です。
一体何の作業をしたのかと申しますと、お店の外にかけてあるフラッグを新調するための作業。
もともとはオーダーしていたのですがそのお店がなくなってからは自分で工夫してどうにか間に合わせておりました。
ただ今回は当時のフラッグとほぼ同じ色の生地を手に入れることができたので、だったらデザインも復活させたいと思いたって自分でペイントしてみることに。
デザインを生地にうつしてそれをなぞるだけなので絵心とかそういったものは関係ないだろう、慎重にやっていけば私のような人間でもまぁそこそこ使えるものになるのではないかと考えていたのです。
至近距離で見るものではありませんからね、少々だめな部分があったとしても目立たないんじゃないかなと。
でも。
間違っておりました。
考えが甘かった。
やっぱり絵心というかセンスというか、なにかを描くということにまったく向いていない私が手を出してはいけないものだったと深く深く反省。
なぞるだけなら私でもできるんじゃないかと思っていたけれど、やっぱりなにかを描くならその方面の才能というか器用さみたいなものを持ち合わせていないとだめなのね。
とはいえ離れた距離から見るものだから、もしかしたらフラッグとして外にぶら下げてみたら結構いけるかもしれない…
そんな淡い期待も虚しく、やっぱりだめなものはだめでした。
さすがにこれは使えない。
このフラッグが店先にかかったのはほんの一瞬、そして誰にも見られることなく引退です。
だからといって今日の早起きがムダになったかといえばそうでもなく。
やっぱり私には「なにかを描く」というセンスがまるで無いということをあらためて確認できたのは収穫です。
下絵を慎重になぞっていっただけのはずなのに、出来上がってみればちゃんとおかしなことになっているのだから不思議。
これはもう、ほんとうに「向いていない」ということなんだろうな。
絵が描ける人、心の底から尊敬します。
そして、午前3時台というとんでもない時間帯にパウゼで過ごすのはなかなか快適…いや、かなり快適ということも判明。
営業時間内とはまったく違う雰囲気の店内は、なにかに集中したりするにはとてもいい感じ。
これはちょっと癖になりそうです。
ちょっとした会話から
当店では施術中に眠ってしまうお客様がほとんどなので、私がお客様とたくさんおしゃべりをするということはあまりありません。
とはいえ施術に入る前にはちょっとした確認(肌が敏感になっていたりしないか、とか、怪我などで触れてほしくない場所がないか、など)はございますので、そのわずかな会話の流れからお店側・施術者側にとってとても参考になるようなヒントをいただけることがあります。
「そういえば最近同じような悩みを話すお客様が増えてきたな、もうそんな時期なんだな」と季節を実感したり。
お客様のなにげない言葉が、施術時の工夫を思いつくきっかけになったり。
つい先日もそのような感じでお客様の言葉からちょっとひらめくことがありまして、さっそく動き出したところです。
これからの季節に合わせて、施術の内容を冬バージョンに変更しようかと準備中。
準備が整い次第ここでご報告いたしますね。
どうぞお楽しみに。